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2007-5 月-21 23:59:00

EarthTribe プロローグ

思い起こしてみると、
自分に起こった出来事に感動して涙を流したのはいつだっただろう。
最後に素足で土を踏んだのは、
最後に夜空の星を眺めたのは、
最後に昇ってくる朝日を待ったのはいつだっただろうか。


自分達はコンピューターやテレビ、携帯電話などで莫大なインフォーメーションを与えられているが、実際にリアルな経験をする機会は減ってきている気がする。


街を歩いただけでも、無意識のうちにたくさん情報が次々と頭の中に流れ込んでくる。
同じ方向に歩くたくさんの人々、飛び交う光の文字、夜も昼も休む事のない街の喧騒。
繰り返し流される新製品の名前、知り合いでもないのに覚えてしまう芸能人の顔と名前、流行の服や歌・・・。


人生に全く必要の無い情報が絶えず頭に流しこまれ、その情報を自分の頭にインプットされる事を防ぐ事はできない。


たくさんの情報に囲まれる事で、人間はインフォメーション中毒になってしまったようだ。
笑う事や感動する事、人とのコミュニケーションまでもを、テレビやコンピューターから送られてくる情報の中に求めるようになっている。


映画やドラマで感動して泣く。
テレビのお笑い番組を見ている時が一番大きな声で笑っている。
メールやウェブで友達や家族とコミュニケーションをとる。


これらは全て情報を頭に受け取っているだけで、リアルじゃない。


人間はリアルな生活の中で、悲しんだり、喜んだり、感動したりするのが自然だ。
しかし、次々と頭の中に流れてくる情報で、考えなくてはいけない大事なことが頭の隅に追いやられ、自分がリアルに経験していない事さえも忘れて行く。
押し寄せる新しい情報の波に飲まれ、情報と時間だけが流れるように頭の中を通り過ぎていく。


気づくと、自分自身もインフォメーション中毒になっていた。
携帯が手元にないと不安になり、テレビやパソコンから送られてくる情報を頭に入れる事が習慣になった。
情報の中に笑いや感動を求め、デジタルなコミュニケーションが無くては生活が成り立たなくなった。


今の文明の中で暮らしていると、生きるために本当に大事な事を忘れがちになる。


「旅に出よう。」


旅に出てリアルな経験をする事で、何か学校などでは教えてくれない大事な事が学べそうな気がした。


世界に何があるのかが見たかった。
世界で何が起こっているのかが知りたかった。


そして、2007年5月に地球を巡る旅に出た。

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by 村越 慎司

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