2008-8 月-20 21:37:33
イスラムの結婚感 <イエメン、サナア>
サナアで結婚式に参加する事ができた。
どんな時でも結婚式には幸せな空気が流れている。この結婚式でも暖かい祝福の空気が流れ、参加している人はみんな幸せそうだった。
新郎の顔を見ているだけで、自分も大切なものをわけてもらった気がする。
新郎が式の会場まで行く直前までは激しい雨が降っていたが、彼が外に出たとたんに嘘のように空に晴れ間が差し、まぶしい光が降り注がれた。
それはまるで空も新郎を祝福しているかのようだった。
ジャンビアダンスを踊って新郎を祝福する人達も楽しそうだ。
ちなみに、イスラムでは男性は4人の女性と結婚出来る一夫多妻制だが、実際には経済的な理由からも殆どの男性は1人の女性としか結婚しない。
また、イエメンでは厳格にイスラムの教えを守るので、結婚の相手は家族が決める。
そして、新郎と新婦は会って話をするどころか、お互いに顔さえも見た事が無い。
結婚式も別々に行われ、新郎のために行われる男性のみが参加する結婚式と新婦のために行われる女性のみが参加する結婚式がある。
そのため、結婚式の時点でも新郎は新婦の顔を知らない。会った事もない。
会った事も見た事も無い人と結婚して幸せに暮らせるのだろうかとイスラムで無い人は思ってしまうだろう。
イエメン人に聞いた事がある。「一度も会った事がない人と愛しあえるのか。」と。
彼は言う。
「自分の家族が決めた人に間違いはない。」
「それに、」と彼は付け加えた。
「イスラムでは愛は結婚してから始まるんだ。」
一緒に暮らす前からどうして愛を育む事が出来るんだという事らしい。深い。
イスラムでない人から見れば、イスラムの結婚観は想像しにくいかもしれない。
しかし、国の情勢や信じるものの違いはあるが、世界中どこの国でも人の幸せのカタチは同じだ。
自分の家庭を築き、皆で話して笑い、一緒に食事をするという幸せのカタチは地球上のどこに住んでいようと変わらないのだ。